副題は、「フリーター生産工場」としての大学院
ポスドク(ポストドクター)問題については、
時折ニュースで取り上げられているし、
blogなどインターネットで当事者たちの声を読み聞きする機会もあります。
政府の施策として用意されたものも含めて
短期の限定された仕事にしか就けない状況や、
収入が低くかなり苦しいことも知ってはいましたが、
それでも、いわゆる「ワーキングプア」といわれる状態と比べると
ずっと恵まれた、次元の異なるレベルの悩みかと思っていました。
本書では、その現実がどれだけ深刻なものか?ということ、
その実態が赤裸々に淡々と書かれていて..
驚かされます。
高校卒業時に就職できなくて、大学や専門学校に進む、
就職氷河期を避けて、大学・大学院に留年する・・
今では普通の選択肢になったそれらとは、
また別のよく知られていなかった"現実”が
ここにあります。
高校生、大学生やその親たちに、
自分たちのキャリア・プランのリスクを考えるための知識として
ぜひ一読して欲しいと思います。