road2vのブログ - a little white rooster

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「男道」清原和博/幻冬舎

高校時代、
PL学園のKKコンビとして甲子園に春夏5連続出場して一世を風靡、
その後も、西武ライオンズの黄金期の主砲をつとめ、
FAで移籍した巨人で活躍、
オリックスに移籍後にヒザの故障もあり引退した
清原和博選手の書いた本。

桑田・清原、両選手について:
私は、彼らと同年齢のため、高校時代からプロ野球デビュー、
名実ともに球界のTOPにたった全盛期、
ケガに、復帰そして、引退まで
ずっと注目していたんだと改めて思いました。

本書には、私の記憶にも鮮明な多くの出来事について、
清原選手のその都度の思いや行動が
そのままつづられていて、
プロのライターが書いたノン・フィクションとは
異なる熱さや、生々しさがあります。

正直、ここまで中身の濃い本だとは思わなかった。

「男道」という書名は、”清原”らしいという選択なのかも
しれないけれど、
本書から感じた印象はちょっと違いました。

- 少年野球、高校時代を通じた猛練習。
- だからこそのチームとしての勝利のうれしさ
- 巨人ファンへの契機になった祖父、
  引退する今に至るまで、精神的に大きな支えになった父母のこと
- 理想のホームラン、王選手の存在
- 運命のドラフト
- あこがれの巨人への移籍
- ケガ、そして引退

普段、野球のプレイ以外で語ることのない選手の本当の気持ち、姿。
清原選手の印象がずいぶん変わりましたよ。

ああ、良かったなと思ったのは、
ドラフトを機に大きくわだかまりができたように思っていた桑田選手への気持ち、
巨人に移籍した後、ある接戦の試合でバックを守っていたときの気持ちには
ほっとしました。

バッターとして、理想のホームランにこだわっていた男が
ケガで自分のスイングが全くできない現実と向き合うことになった
引退シーズン、出場したゲームのひとつひとつの打席。

冒頭に
2008年10月1日、現役最終打席のフルスイングの写真があります。
見慣れたその姿に隠されていた苦しみと思いには、
目頭が熱くなりました。

同じ時代に、高校野球プロ野球を観つづけていた同世代の
人にはぜひ読んで欲しいと思います。
報道のイメージとは、また違う真実を。