「家族八景」
テレパス:火田七瀬が初登場する連作長編。
精神感応能力を持つ七瀬が、その能力を悟られないように
短い時間で職場を変えていける仕事として家政婦を選び、
色々な家庭を渡り歩いていく。
ドラマ化するにふさわしい散文的な構成という
ことになるのだろうけれど、
エンターティメントというには、人びとの心の中の
真実はよどんでいて、なんとも・・重たい小説。
能力者であることを知られることを極度に恐れる、
七瀬の身の処し方も、
リアリティはあるかもしれないが、楽しくはない。
この作品が最初で、
そして生まれたのだと思うと続編である
「七瀬ふたたび」は、相当跳んだ作品だったのだと
思いました。