「あぽやん」は、空港にいる!
主人公:遠藤慶太は大手ツーリストで働く入社8年目、
失恋した後に社内で閑職といわれる成田空港所に異動になって
やりがいを見失いながら、日々の仕事に追われている。
あぽやんのあぽは、AirPortのAPOの意。
慶太がまだ新入社員だった頃、
旅行ツアーのトラブルをめぐって、電話でやりあった
空港所勤務の男の言葉が、心に残っている。
こういう仕事があるとは、知らなかった。
航空会社との関係、派遣、正社員と立場が異なる中で
顧客である旅行者に向かいあう仕事にある使命感や
一体感。
作者の新野剛志さんは、作家になる前に
こういう仕事の経験があったのだろうか。
現実の、つらさや仕方のない部分はそのままごまかすことなく、
慶太の新しい恋や、仕事を通じた人間関係の変化、
成長みたいなものを描いていて、
ほのぼのする小説にもなっていた。
時々笑い、癒されもしました。
楽しみました。