マラソンランナーを主人公にした堂場瞬一さんの長編小説。
陸上選手を主人公にした堂場瞬一さんの小説は初めて。
怪我やトラブルでオリンピック出場を果たせないできた天才ランナー:須田
かつて陸連とのトラブルでマラソンを離れたランナー:武藤
そして、
高い安定した成績を残しながら優勝とは縁のなかった主人公:青山
かつて大学陸上部で一緒だった
3人のランナーがそれぞれ再起と引退への思いを賭ける、
最後のオリンピック代表選出レースを軸に物語が進む。
華やかな女子マラソンとは対称的に、
メダルが期待できる競技として男子マラソンが注目されなくなって
もう何年にもなる。
かつて瀬古に中山、宗兄弟がしのぎを削り、最も注目される競技だった
時代がなつかしい。
高校・大学、そして都市対抗駅伝、
箱根マラソンからつながる先として、男子マラソンにも
もう一度きらびやかな時代が来て欲しいと思う。
ライバル同士の熱い闘いを見たい、
そう思わせてくれる小説でした。