第3回ダ・ヴィンチ文学賞/:大賞受賞作
大判の地図帳を小脇に抱えて関東をさすらう男:地図男
その地図にはびっしりと付箋がつけれら、また地図の上に
その土地をめぐる物語がつづられている・・
こういうファンタジーが、
こういう物語があるんだなあと思った。
作中作である物語たちがそれぞれ魅力的であるべきなのは
必然なのだけれど、
漂浪者を地図男と名づけ、
読者との間をつなぐことになる
語り手:映画製作のフリーの助監督のキャラクタがまた
親しみやすくて、よいですね。
東京23区の区章をめぐる戦いに笑って、
ふしぎな切なさにほろりとし、
不思議な小説でした。