ギリシャに単身赴任中の夫:山上悟、
赴任前の交通事故がきっかけで日本に残った妻:美奈子
二人の往復書簡でつづられていく物語。
口語でない、
手紙(おそらくeメールとも違うでしょう)での
会話でつづられていく小説。
それがこの小説独自の雰囲気をかもし出していると思う。
ストーリーの輪郭もつかめないうちに、
いきなり妻:美奈子からの離婚届が同封された手紙から
始まって・・・
主人公たちの個人的な言葉によるやりとりを読み進みながら、
手紙って、特に心のこもった思いを伝えるものならば
特別なものだと思いました。
途中、すれちがったまま収束していかない二人の心に
新たな契機となる
美奈子の祖父母がかつて交わした往復書簡が挿入されて、
隠されていた真実があきらかに。
なんというか・・・。
独身の私には実感をもって想像できませんが、
結婚して二人の生活ということには
こういうこともあるのか・
追伸:
本書の装丁のギリシャの風景(写真、CG?)、
とても魅力的です。
夫:山下悟のギリシャの同僚たちとの描写には、ほっとさせられる
ところがありました。