”ムコさん”こと作家の武辜歩(むこあゆむ)、
妻の”ツマ”こと妻利愛子(つまり愛子)、
おたがいを「ムコさん」、「ツマ」と呼びあう
田舎で暮らし始めた二人の生活と思いが、日記と語りで交互に
語られていく。
そして二人をつないでいる”きいろいゾウ"の童話。
近所の人々の姿、虫や犬やチャボ、
本当に田舎の生活らしくて、ゆっくり時間が流れていく。
物語の後半、二人の心のつながりが離れそうな危機が訪れて
そして・・。
西加奈子さんの小説は、「さくら」「通天閣」と読んできたけれど、
”こういう小説”という枠にはめられないにもかかわらず、
最後に残る部分が似ているのかと思いました。