2006年ドイツW杯、
走り続ける中田英寿の姿、
ブラジル戦後に、ピッチに倒れこんで動かなかった姿は印象に残っている。
その試合を最後に引退を決めていたことが、直後に発表された。
本書は、ベルマーレ平塚の頃から中田英寿と親交があり、
その姿を追いかけてきた小松成美さんが、
初めて本人の引退の意向を聞いてから、
そして最後のインタビューを行うまでのドキュメント。
セリエAペルージャでの華麗な活躍の陰で、
契約上の大変な問題があったこと、
苦しめられた怪我や、移籍に伴う決断の数々、
引退を決めたからこそ、初めて明らかにされたことも多かった。
最後のW杯、練習試合を含めて
怒声を上げる中田英寿の姿は、
こんなにHOTなプレイヤーだったのかと驚かされたが、
日本代表としてピッチにたつことへの
強い思いは、本書であらためて知った。
言ってもしかたないが、
次のW杯でも中田英寿の姿を見たかった。
本書を読んで、改めてそう思った。