「チーム・バチスタの栄光」、「ナイチンゲールの沈黙」に続く
田口・白鳥シリーズの3作目。
面白かった。
前作「ナイチンゲールの沈黙」とオーバーラップした
もうひとつの物語。
意外だった・・が、こういう構成は好きだなと思う。
「ナイチンゲールの沈黙」で、新しく個性的なキャラクターが
何人も登場して、少し発散したような印象があったのだが、
本作が対になって寄り添うことで、俄然、落ち着きと親しみまで増していく。
実際の人生では、いろいろなことが同時に起こることは
珍しくない。前作で見えなかった部分を描くことで
リアリティが増して世界が深くなった。
本作の主人公は、まぎれもなく
オレンジ新棟・救命救急センター部長、速水晃一。
それに彼を支える部下や看護士たち。
テレビでもスーパードクターが活躍するドラマが人気を
集めていて、個人的にもすきなのだが
小説でもそれ以上の魅力が引き出せるものだと思った。
特に、終盤のシーンは圧巻。
シリアスな大人の恋愛もあり、最後まで魅力的だった。
やっとお目見えした姫宮室長補佐(ホサ)の今後の活躍も期待できそう。
(肩書きに関しての速水と白鳥のやりとりには笑ってしまった。)
次作もさらに楽しみになりました。