著者の大竹文雄氏は、大阪大学社会経済研究所教授、大阪大学博士(経済学)。
書名から、
最近増えてきた社会評論の一冊と考えて図書館でリクエストしたのだが、
届いたのは大判のまぎれもない学術論文の体をもった本で
普段味わえない読書経験をした。
私が10代後半以降、座右の銘としている言葉(というより生きていくための指針)に
「知識の力で、悩みなど吹き飛ばせる」というのがあるのだが、
現在、簡単に語られ論評されている”格差社会”、"格差の拡大"という言葉に
対して、知識のちからはどんな光をあてるのか?
それが、この本を読んで得られる最大の経験。
統計や世論調査などの数字が、かなり恣意的に操れることは知られるように
なってきたとは思うが、単純に数字だけを取り出す際にも
前提や慎重さがどれだけ影響するか・・わかる。
私自身、いくつかのアンケートサイトの登録していて、
多くのアンケート調査に答えているのだが、
その質問項目がどういう理由で選定されたのか理由の一部もわかる。
”知識の力は、賢く利用すれば巨大なマーケットや利益の創出につながる”
ということも予見できる。
こういうことこそ、子供たちが学ぶべきことなのだと思う。
# 買って読むのは大変ですが(定価:3200円)、
借りてでも知の力の知るいいきっかけになると思います。