主人公:神谷新二の陸上部での青春を描いた小説の最終巻。
高校2年のオフシーズンから、3年生高校最後のシーズンに。
主人公も、部の仲間たちもそれぞれ精神的に成長していく様が
描かれていて好ましい。
自身の10代のこの時期のことを結構思い出した。
4月の県記録会、インターハイ予選<地区>、<県大会>
個人競技である100m、200mとは別に、マイル走、4継、
チームで走る種目への主人公の思いが高まっていくのが
伝わってくる。
そしてインターハイ予選<南関東大会>へ。
中学生の時から抱いていた親友:一ノ瀬連への複雑な思い。
サッカーを辞めて、高校から始めた陸上にかけてきたもの。
追いかけていた、そして新しいライバルたち。
今までの出来事が、すべて連なってこの舞台に結実する。
一気に読めて、そして読み終わったあとは、
少し寂しい気分になります。
(求めてはいけないのかもしれないけれど、
もっと続きを読みたいと思う。淡い恋の行方も気になるし。)
青春小説として、稀有な疾走感とさわやかさを
併せ持った傑作です。
おススメです。