舞台は、茨城県、牛久沼。
ブラックバス・フィッシングにきていた釣り人が、
なにものかに襲われて、水中に引き込まれる事件が起こる。
後日、発見される上半身の失われた死体。
ニュースを見た
フリーのルポ・ライター有賀は、かつて河童伝説の取材で訪れた
牛久沼にふたたび向かう。相棒の犬、ジャックと一緒に。
牛久沼は、石井竜也監督の映画「河童」1994でも舞台にされたように
古くから河童の伝承があるらしい。
私もかつて、龍ヶ崎に住んでいて、牛久は通勤途中で
毎日のように通りすぎていたのだけれど、
牛久沼には一度もいくことがなかった。
この小説の初版は、1991年。もっと早く読んでいたら
興味をもって行ったかもしれないと思った。残念。
初出はアウトドア雑誌、月刊フィールド&ストリームに
連載されただけあって、バスフィッシングや有賀の持つ
リールやルアーなどの用具、キャンピングカーの描写などが
とても魅力的に描かれている。
男は、かつての少年時代の冒険心みたいなものを思いだして
わくわくすると思う。
物語自体は、それゆえ?まともというか
まじめすぎて、もっとふくらませたらという部分もあるのだが
有賀をはじめとして登場人物たちの魅力のために、
楽しめました。
関東に住んでいて、牛久に地縁がある人はぜひ読んでみてください。