road2vのブログ - a little white rooster

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「理屈は理屈 神は神」かんべむさし/講談社

かんべむさしさんの本を読むのは
「奮戦・リストラ三銃士」以来になる。

就職を意識し始めた学生の頃、文庫版「むさしキャンパス記」が愛読書だった。
大阪出身だった中学生以来の友人が父親の転勤で大阪に戻った頃で
関西学院大学、梅田などを舞台にしたかんべむさしさんの青春記は、
親しみがあって、その気風が好きだった。

就職してすぐの頃、図書館で「第二次脱出計画」をみつけて
作家になってからのかんべむさしさんの攻防?に
笑ったり、共感したりしながら
何度も借りて読み返した。
(買おうと思ったが、単行本が手にはいらなかった。)

当時は、大阪がなぜか身近な存在だった。
(前出の友人や、小松左京さんや小峰元さんなど関西在住の作家の存在感が大きかった。)

「第二次脱出計画」の最後で、作家としての世間への露出を静かに減らしていくという
方針が宣言されていたのだけれど、かんべさん自身のことをつづった本としては
まさしくそれ以来かなと思う。(育児記というのがあるのを本書で知りましたが。)

ちょうど私が就職して20代から30代への時期を過ごしていた間に、
かんべさんの周りにも、多くのことがあったらしい。
相変わらずの生真面目さと、いらち・さが懐かしくもあり、
自分自身も含めて時間がたったのを改めて感じてしまいました。

あとがきにもあるように
「第二次脱出計画」のなかで、”当方、特定宗教に関係するテーマの執筆やコメントは、
どちら様に限らず御容赦を願っている”と書いていた作者が
自分自身の人生後半での宗教との出会いとかかわりを、変わらずの慎重さでつづっていて
その変わりなさに、妙に感心しました。

作者の意図は、なんども言葉を選んで書かれているので、
そちらを読み取ってもらえらばと思いますが、新鮮に感じました。

かんべむさしさんのHPはこちら> 
http://www.ne.jp/asahi/kanbe/musashi/