「種の終焉」、「クラッシュ・ゲーム」など
謀略サスペンス長編を手がけてきた
北上秋彦さんが「作家として書かなければならないテーマ」と
いう長編小説。
北上秋彦さんがあとがきで、この作品の成立過程をみずから
語っているが、その重みや深さは、
この作品を特別なものにしている。
東京九段下、そして東北・宮城
距離を隔てた場所での二人の老人の死。
主人公である女刑事:広瀬紅が、
事故・自殺、他殺ともわからないその謎を追う
うちに浮かびあがってくるもの。
昭和20年(1945)の花岡事件。
日本人が知っておかなければならない
歴史というのは、
つまりこういうことなのだと思った。
一度、読んでみてください。