太平洋戦争末期、
A大の学生、甲子園で活躍して将来を嘱望された主人公:並木は
肘を壊してかつての速球を失い、リハビリが続く絶望の中で
”魔球"を投げることに活路を見出す。
そんな中、学徒出陣で人間魚雷「回天」に乗り組むことになる。
奇しくも、萩原浩さんの「僕たちの戦争」と同じく、
戦争が終結する前後の短い期間、
特攻兵器に乗り組む若者たちが何を考えて、どう生きていたのか
そんなテーマが、baseにあるものの、
基本は同じ野球部の仲間たちとの友情や、淡い恋など
青春小説にジャンル分けしてもおかしくない
横山作品としては、異色の作品になっています。
戦争を体験した世代の話は、
今、聞いて伝えていかなければいけない
のでしょうね。
団塊の世代が戦後生まれということを、
知って、改めてそう思いました。