新宿鮫シリーズ第9段。
前作「風化水脈」から6年、
新宿署の鮫島が帰ってきた。
書評や、大沢さん本人の言葉でも語られているように、
今までとは少し違う鮫島との再会が、
意外にも好ましいと感じた。自分自身が歳をとったこととも
関係していると思う。
過去の作品で何度か重要な役割を果たした"彼"もまた、
真実(ほんとう)の姿をさらすことが、
この作品が新宿鮫シリーズの転機であることをあらわしている。
晶との関係も含めて、
何かが変っていくことには、
それでも一抹の寂しさを覚える。
何年後になるのか、
次作を、それでも・・楽しみに待ちたい。