road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん/文藝春秋

第135回、直木賞受賞作。

東京のはずれ、まほろ駅前のふるいビルの一室で便利屋をいとなむ主人公:多田と
その事務所件住居に居候することになったかつての同級生;行天晴彦。

それぞれ、痛みや悲しい経験を抱えた主人公たちが、
便利屋としてかかわることになる依頼人たちの人生を通じて
自分の過去をも振り返りながら物語がつづられていく、
連作短編集。

三浦しをんさんの本を読むのは初めて。

表面に流れるテイストは、一見ライトでユーモアにあふれているが、
時々彼らの行動やセリフの中に現れる、吐き出すようなむき出しの本音の部分に
現実が重なって、ちょっと他の小説とはちがう味わいがある。

やけに人物が写実的な挿絵が印象的だが、読み終えてみて
意図したものかなと思った。

続編があるならまた読みたいと思いました。