大沢在昌さんの生み出した新しい女主人公、
水原が活躍する連作短編集。
読む前は、重いを過去を抱えた女刑事がそれを
何かのささえとして活躍する話だと想像していたが、違った。
刑事や元刑事でない人物が活躍するハードボイルドもよい。
それにこんな主人公も他にはいない。
主人公が、作中で男と女の違いについて、断定するシーンが多いのだが、
基本設定故に、主人公の思考や行動がしばられているのが不自由な気はした。
ハードボイルﾄﾞでは主人公を縛るのは、自身の信条だけというのが多い、
それが魅力だと思うのだけれど。
それに、最後はあっけなかった？という印象が強い。
あれだけ、主人公を恐怖させた存在であるのに？
続編あるとしたら、
桐野夏生さんの「ダーク」的な展開になってしまうのでないかと
思った。
