JAXA(旧NASDA)5人目の日本人宇宙飛行士として、
2005年7月スペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗した
野口聡一さんの書いた本。
耐熱タイル補修の船外活動を取り上げたTV報道は、まだ記憶に新しい。
日本人宇宙飛行士の書いた本をはじめて読んだけれど、
良かった。
初のスペースシャトル打ち上げを見て確かな形になった夢と
宇宙飛行士候補者として合格してから、本当に宇宙にでるまでの9年間の訓練の日々。
まじめに想像したらあまりに遠い夢だし、
関係ないと思えば、簡単に関心を薄れさせることもできる、
そんな宇宙に行きたいという夢を、リアルな質感で伝えてくれる。
少年の頃に読んだなら、人生に影響を受けるような本にも
なるかもしれない。
巻頭に、国際宇宙ステーションやシャトルでの船外活動中にとった
地球の写真が掲載されていて、その美しさには驚いた。
アニメや特撮映画で、宇宙からみた地球の姿などすっかり見飽きたと
思っていたけれど、写真だけでも始めてといっていいくらいの
感動がある。映画でみる映像は、結局作られたイメージなのか?
野口さん自身、初めて船外にでて地球をみた(感じた)時の感動が大きくて、
それを人につたえなければ思ったことを熱く語っているのだけれど、
実際に体で感じる地球の存在はそれこそどれだけの魅力があるだろうと思った。
Full SPEC Hi-Visionでシャトルから撮った地球の映像が環境DVDででたら
間違いなく売れると思う。
宇宙旅行をしたいと願う人の気持ちがはじめて想像できた。