誉田哲也さんの長編小説
※【頸木】【軛】あるいは【首木】(くびき)
…家畜の首にあてる横木。転じて「自由を束縛するもの」。
姫川玲子シリーズなど
多くの人気シリーズを抱える誉田哲也さんの新作ながら
読み出しから、違和感があって新しい。
警察小説と経済小説をMixして、
こんなおもしろくて、
すごいエンタティメントがかけるのだなという
驚き。
おもしろい!それだけでなく成しえたことがすごい!
というのがこの小説のとびぬけたところ。
半ばから後半にかけて、点と点がつながっていく中で
一気に読み終えました。
YoutubeやXなどで言葉や議論はとびかっているけれど
わかったようで、どっちやねんと思う
日本経済の状況について、
作品の中で、
被疑者:元財務完了、大学の客員教授である久和秀昭と
取り調べを担当する主人公の警察官:佐久間龍平係長の
会話を通じて、目からうろこ的なものも含めて
いくつも新しい知識を得ました。
(巻末の参考文献の多さに驚きます。)
森永卓郎さんの「ザイム真理教」は、財務省を批判した
嚆矢的な本で、(リストにもありました。)
言葉はCatcyで、自分も読んだのだけど
正直まったく面白くなくて、中身も全然残らなかったのだけど
これを誉田哲也さんが、描くと一級のエンタティメントに
なるのだなあ。
主人公:佐久間龍平係長をはじめ、
部下・同僚である:横澤、水沢、中田三都たちの行動や
会話が楽しい
自分で考えたり、動いて点と点をつなぐ真実を見つけたり、
日常の業務を超えて、能動的に動いていく中で
結果がついてくる展開にほっこりします。
最後、
主人公:佐久間が、久和秀昭に自分がたどり着いた答えを話す
シーン。
いや、すごい。
一般的にいわれている財務省の増税へのこだわり、
減税への強固な反対
イデオロギー的な理屈を超えたものが理由なのかと
思っていたのだけど、
そうではない、まったくもって身も蓋もない理由が
わかって、
それはそうだと実感してしまった。
先日の衆議院選挙で、大幅躍進し
政策のキャスティングボードを握るようになった
国民民主党の政策に対する
財務省が働きかけたといわれているメディアへの
一斉の情報誘導も、
本書を読んだ後だと
その熱がわかってより深く興味をもてます。
超おすすめです。
特に、これから税や保険料を収めていく主体となる
現役世代、若い人たちに読んでほしい。
★こんな本、よく出せたな。。
本当に時代が変わっていくのかもしれないと思いました。
<出版社URLの内容紹介>
大学の客員教授、久和が窃盗と公務執行妨害の容疑で逮捕された。
運転する車の中から、血の付いた他人の財布が発見されたのだ。
久和は内閣府が設置する経済財政諮問会議に参加したこともある経済政策通だが、
警視庁志村署の佐久間に対し「公務員を信用していない」と言い、
取調べは進まなかった。
一方、財布の持ち主を捜していた志村署の中田は、
フリーライターの菊池に行き着く。菊池は交通事故を探っていたが、
その事故には財務省のある人物が絡んでいた。
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<双葉社の作品URL>
https://www.futabasha.co.jp/book/97845752474730000000
<PRTimesの作品URL>
誉田哲也氏から「怒り」のコメントあり
「私が小説を書く原動力は『怒り』です。
今回も、巨大な敵にガンガン喧嘩を売っています。
負けるときは私一人ですが、勝つときは皆さんと一緒です。
だから応援してください。
本当の敵を、あなたの目で確かめてください。」