重松清さんの長編小説
新聞朝刊で連鎖されたものに加筆修正した文庫オリジナル作品
主人公;安藤美津子(アンミツ先生)は、
小学校の教職を定年退職した直後に
息子夫婦を事故で亡くして、
血縁のない孫・翔也と一緒に生活を始める。
聞き分けのよい、心配りのできる良い子である翔也は、
それでも、
以前の学校でも不登校が続いていて、そして
新しい学校への行きたがらない。
いろんな問題って、簡単にまとめられるほど
単純ではないのだな、と気づかされることが
最近増えているのだけど
アンミツ先生のかつての教え子たち
(ヒデヨシとキック、そしてテンコ)との再会、
そして彼・彼女らを通じて出会った人たちとの交流の中で、
固まったおりみたいなものが、
すこしずつほどけていって、その中でも通じ合うものがあるのは
この小説を読んで感じた、救いでした。
テンコ(先生)とアンミツ先生が本音で言葉をかわすシーン
テンコと翔也がめだかの水槽の前で交わす会話
ほっとしたな。
自分が小学校生の時、学校にメダカを飼っていた水槽があったのを
思い出しました。
<出版社HPの作品紹介より抜粋>
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小学校教師を引退した夜、息子夫婦を事故で失ったアンミツ先生。
遺された血縁のない孫・翔也との生活に戸惑うなか、
かつての教え子たちへこんな手紙を送る。
〈先生はみんなに「太平洋を泳ぐめだかになりなさい」と言いました。
でも、ほんとうに正しかったのでしょうか〉。
返事をくれた二人を翔也と共に訪ねると――。
じんわり胸が温まる感動長篇。
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<幻冬舎の作品HP>
https://www.gentosha.co.jp/book/b13855.html