road2vのブログ - a little white rooster

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「宴の前」堂場瞬一/集英社文庫

堂場瞬一さんの長編小説

「鳴沢了シリーズ」を始めとした警察・刑事もの、
スポーツ(野球・陸上)などのジャンルで多数の作品を展開している
堂場瞬一さんが、その分野を広げているのが政治小説

4期を務めあげた県知事の引退にともなう地方選挙が舞台

ドラマや小説などでも、なんどか取り上げられているテーマでもあるし

書名「宴の前」から感じる、ちょっとおどろおどろしい
政治にかかわる人間の嫌な面を描いたストーリーを
予想していたのだけど

ちがった。。

なんだかさわやかな読了感。おもしろかった。

政治、政治家を目指す人について好感があがるような
そういう小説でした。

主人子である元オリンピアンの中司涼子と
その応援者たちだけでなく、

現職知事である安川美智夫の周囲のひとたちも、
それは、自分と同じような家族や友人をもった普通の人間なのだという
価値観をベースにしているのは大きいな。

良心的なところ、善良なところ、

野心的だったり、感情にまかせて動いてしまう弱さをもった
人間も描かれているのだけど、
それもちょっと共感できるところがある。

続編も書かれるなら読みたい。

「ラストライン」シリーズみたいに、世界観を共有するような
選挙コーディネーター:池内の活躍する他の作品も
読みたいと思いました。


<出版社HPの作品紹介より抜粋>
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あらゆる選挙戦の中で最も闇が深いのは地方知事選だ──堂場瞬一著『宴の前』

選挙の陰でうごめく人々を
モザイクのように積み重ねた
安川美智夫は日本海に面したとある県の知事。
四期十六年を務め、すでに引退宣言をしていた。しかし後継者指名をためらううち、
意中の副知事が病に倒れてしまう。知事選まであと二カ月。
そこに降って湧いたような立候補者が現れる。
十六年前の冬季オリンピックで銅メダルを獲得したアルペンスキーの選手、
中司(なかつかさ)涼子だ。
政党からの支援を受けず無所属で選挙に臨むという。
安川は新たな候補者として現役国会議員の牧野を考えるが、
彼には致命的な問題があった……。
警察小説、スポーツ小説から、メディアの興亡を描いた『社長室の冬』まで、
幅広いジャンルに挑む堂場瞬一さんが今回取り上げたのは「選挙」
告示前に水面下で繰り広げられるひりつくような駆け引きを描き、
この国の根幹ともいえる選挙制度に切り込む野心作です。
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<集英社文藝ステーション> 
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744271-7
著者インタビュー(聞き手・構成=タカザワケンジ/撮影=三山エリ)が
読み応えあります。

<集英社の作品URL>
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744271-7
立ち読みもできます。

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