road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎/NHK出版

伊坂幸太郎さんの長編小説。

主人公は、中堅のお菓子メーカーに務める主人公:岸

サラリーマンなら誰でも一度は感じることのある
理不尽さにも追われる中で
それなりに平和に続いていた生活の中で、

最近テレビなどでも目にすることが増えた
ハシビロコウの画像をきっかけに

普段なら縁のなかっただろう、
芸能人:小沢ヒジリや政治家:池野内征爾と
知り合うことになる。

このあたりのストーリーのくみ上げ方は、
さすが伊坂幸太郎さん、で引き込まれていきます。

作中ところどころに、川口澄子さんのちょっとふしぎなテイスト
コミック(セリフなし)が併設されていて、
それが本編とどうつながっていくのか?

セリフ(言葉・説明)のないコミックってそれだけで
すごく想像力を掻き立てられますね。

それが現世と、もうひとつの異世界でつながっている
登場人物たちの姿を描いたものだとわかってからの終盤。

苦境に陥る主人公の姿から痛みが伝わります。

出会ってから十数年たった世界で、
3人がふたたび立ち向かう現世の災厄が
”新しい感染証”というのは

偶然とはいえ
”新型コロナ肺炎”の脅威にさらされている今と重なって
強い臨場感がありました。

物語と同じように、
戦いに勝利できることを祈ります。

作中:クジラアタマの王様は
   ハシビロコウの学名(ラテン語)の意味であるとの説明があります。

NHK出版のURL>
https://www.nhk-book.co.jp/pr/book/000000057062019/index.html