工学博士であり、国立大学助教授でもあった作家:森博嗣さんの本。
いつも座右の銘を聞かれることに対して
「なにものにもこだわらない」と決めた理由、
森博嗣さんが考えると、「こだわる」「こだわらない」とは。
「拘る」という言葉は、もともとネガティブ・負の意味合いの方が強くて
拘ることが、思考停止やあきらめの受け入りにつながるというのは
本書で初めて、なるほどと気づかされたこと。
森博嗣さんの死生観(自分自身はもちろん、周囲の人たちについても)
自分の感覚と近いっていうのがちょっと意外だった。
■本書で、一番意外だったこと
森博嗣さんのバックボーン(理系・研究者として過ごしてきた)から考えても、
当然のように理詰めで論理的に創作しているのだと
思っていたのですが、
プロットを決めてその通りに書いたのは処女作だけ。
それ以降の作品は、
本人の言葉で「いきあたりばったり」方式で書くようになったとのこと。
臨場感があって自由なそのプロセスを作者本人が楽しみながら、
それが物語の面白さにつながると確信したとのこと。
クリエイターが時折語る、いわゆる”天から降りてきた”という
言葉にしてしまうと、
特別で奇跡的なものになってしまうのだけど、
生き延びてきた生命種として、
土壇場で発揮される集中力や発想力が
通常時よりすぐれたものであるのでは、という考えかたには
新しくて、説得力がありました。
これは大切なライフハックになるかもしれない。
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装幀のメッセージ:
常識、職場の空気、前例、人の目、
自分らしさ、見栄・・。
あなたも「こだわり」に囚われていませんか?
臨機応変に考えて自由に生きよう。