「県庁の星」で有名な桂望実さんの書き下ろし長編小説。
人生はオーディションの連続と振り返る主人公:渡辺展子
中学校の入学式から、就職、結婚、子育て、
仕事の成功と挫折と。
自虐的に語る主人公が、時には傷ついたりしながらも
一生懸命生きていて、時にはちょっと成功したり、悲しんだり。
男手ひとつでパン屋をやって育ててくれた父親の存在や
妹たちとのエピソードも、友たちとの関係も
現実感があって、甘辛く楽しみました。
桂望実さん、
著者紹介でみると1965年生まれと自分とはほぼ同世代で、
本作の主人公も同じ年齢設定のようなので、
主人公の年齢・経験と自分の記憶やあったかもしれないことも
重ねられるところも、スパイスにもなっていたのかなと思います。、
人生、思い通りにならないこともあるけれど、悪くないかな、
そう思わせてくれる本でした。