衝撃的な内容。パラダイムが変わった。「エアフレーム -機体-」の時は、日本の番組でも内容をとりあげて解説する番組が複数あったのを記憶しているが、今回はまだ目にしていない。それはそうなのだろうな。
クライトンがアメリカ人であることに、色めがねで見る向きはあるのだろうけど、巻末に本人が立場を明確にしているように恣意的な操作はないと思う。
イエローストーン公園の話は、悲劇的なのに笑ってしまった。日本人にはほとんど知られていないDDTについての後日談も考えさせられる。
小説本来のサスペンスのほかに、地球温暖化についての「事実」と「恐怖の存在]の合わせて3本の柱でなりたっているが、本編の小説の部分は添え物にすぎない感じ。
最後にモートンが作ろうとする新しい環境団体について、エヴァンズとサラとジェニファーの三角関係も含めて、これは続編(というかシリーズもの)が期待できるのじゃないかと思う。ぜひ読みたい!
本書のなかで参照されている言葉(下)p178:
「人が思いちがいをしないために学びえた知識、それが科学だ」リチャード・ファインマン
#ファインマン博士は尊敬している。意外なところで参照されていて嬉しかった。