road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

「椿山課長の七日間」浅田次郎/朝日新聞社

心があたたまる。優しさとユーモアに笑っているうちに平凡な人生を一生懸命につづっていくことにも
価値があると思わされた。
最近、年の近い著名人の訃報にふれる機会が多い。身近なところでも身内の死の話にふれる機会が増えて、
死は遠い存在でなくなった。
最近の少年少女の犯罪の背景には、死生感の変化が遠因であるという説には同意している。親や祖先の人生は子供が知ることのできる身近な「生きること・死ぬこと」の追体験だが、実際にそれを話す機会がなければ、子供たちにはうまく想像することはできないだろう。
小説中の登場人物の人生であっても、考えることは意味があるのだと感じた。
田舎で育って読書が娯楽の大きな部分を占めていた自分には、それが本を読むことの大きな価値でもあったと再認識した。(ちょっとおおげさか..)
桐野夏生さんの「魂萌え!」は、まだ先の話と思う部分があったが、本書は楽しく読めて笑えて泣けます。
文庫が出たようなのでぜひ。