road2vのブログ - a little white rooster

Windows10 64bit化、書庫:PC(パソコン)関連作りました。

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「幽霊人命救助隊」高野和明/文藝春秋

「13階段」で2001年第47回江戸川乱歩賞を受賞した高野和明さんの小説。 小説の世界は深い・・というか。 良かった。掘り出し物。 自殺で命を落とした主人公。 死後の中間世界で、年も(死んだ時代も)経験も異なる3人と出会う。 共通点は自殺したということ…

「夜市」恒川光太郎/角川書店

第12回日本ホラー大賞受賞作。 受賞作である「夜市」と「風の古道」の2編を収録。 巻末に日本ホラー大賞の選評も載っているのだが、 読了後に読んでみて、なるほどと納得した。 冒頭、土俗・民話的世界が現実世界にかかわってくるところから始まって、 あま…

「激しく倒れよ」沢木耕太郎/文藝春秋

沢木耕太郎ノンフィクションシリーズ全9冊の1冊目。 沢木さんのごく初期のスポーツ・ノンフィクション作品集。 以前、単行本で読んだものが何篇かあったけれど、 本人による執筆当時の背景の解説などもあって、 新しい作品としても楽しめます。 尾崎将司さ…

「雪の夜話」浅倉卓弥/中央公論新社

現代のファンタジー小説。 浅倉卓弥さんの書いた小説は、 今まで「四日間の奇蹟」/「君の名残を」を読んできたけれど、 この本が一番好きだと思った。 大きな事件も、ことさらドラマティックな展開もあるわけではないけれど、 少しの悲しさと寂しさと希望.. …

「きみの友だち」重松清/新潮社

ひとつのテーマのもとに編まれた連作短編小説集。 軸になる主人公・彼女の周りで、 各編の主人公に選ばれた登場人物たちは、 彼女の10歳から15歳、そして最終章の25歳までの 人生の一部を共有しながら それぞれの悩みや思いを抱いて生きている人生をつづって…

「家なんか建てなきゃよかった」見延典子/講談社

家を建てる・購入することにまつわる9編の話を書いた短編小説集。 以前、本屋の”家・マンション”関連コーナーでこの本を手にとったとき、 あとがきを最初に読んで著者が家を建てた実体験にもとづいた準ドキュメントだと 思いこんでいたけれど、良い方向に期…

「ラ・ヴィタ・イタリアーナ」坂東眞砂子/集英社

作家・坂東眞砂子さんのイタリア滞在記。 いままで読んだ本が「死国」と「狗神」だったので、 イタリアとの組み合わせは意外だったけれど、 坂東さんは大学卒業後に2年間イタリアで建築とデザインを学んだ経歴が あるらしい。 今まで何人かが書いたイタリア…

「シムソンズ Simsons」森谷雄/ポプラ社

2002ソルトレークシティ五輪カーリング女子日本代表「シムソンズ」をモデルにした 青春ストーリー(帯より) トリノ・オリンピック開幕を前に読めたのは良かった!? 楽しく、とても気持ちよく読めるエンタティメント。 カーリングも、舞台となる北海道常呂…

「天使のナイフ」薬丸岳/講談社

2005年江戸川乱歩賞受賞作。 出版されてすぐ買ったのだけれど、乱歩賞には強い思い入れがある分、 心にゆとりのある時にゆっくり読もうと思っているうちに ずいぶん時間がたってしまった。 少年犯罪と贖罪というテーマに沿って丁寧にストーリーが構築される…

「夢の島」大沢在昌/双葉社

20代の普通のカメラマンの青年が主人公の小説。 他のハードボイルド小説シリーズとはちがって親しみやすい。 そのぶん途中いらいらさせられるところもあった。 「新宿鮫」シリーズなど、主人公鮫島が抱えているものが物語の バックボーンを支えているのだと…

「夢を走り続ける女たち 女子マラソン炎の闘い」増田明美/講談社

オリンピックに限らず、女子マラソンのTV中継を好きでよく見ている。 もうずいぶん前からになるが、そのときに増田明美さんの解説は なんて秀逸なのだろうと思っていた。 かつてのトップランナーであるが、ロサンゼルスオリンピックでは 途中棄権の挫折を味…

「アッコちゃんの時代」林真理子/新潮社

実在の女性をモデルにしたという"アッコちゃん”が、日本がバブル景気に踊っていた 1984~現在までを駆け抜ける物語。 海老沢泰久さんの「愚か者の舟」を読んだとき、 (バブルとはこういうものだったのか。)とわかった気がしたけれど 本作はまたぜんぜん別…